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◆静岡県 静岡のわさび[shizuoka wasabi] |
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わさび(山葵)は、日本全国の山間地の清流域で自生するアブラナ科(菜の花)の植物で、日本原産の香辛料です。
古くは飛鳥・奈良時代から薬味として利用してきたようです。
”わさび栽培”は、江戸時代初期、慶長年間(1596年〜1615年)の頃、安倍川上流の有東木(うとうぎ)で、
野生の山葵を、湧水地で栽培したのが、はじまりといわれています。
有東木のわさびは、徳川家康にも献上され、その香りと味の良さや、葉の形が家紋の「葵」に似ていることから、
門外不出の御法度(ごはっと)品になったと伝えられています。
江戸時代中期になると、伊豆天城の板垣勘四郎が有東木から苗を持ち帰り、山葵栽培をはじめ、
その後、全国各地へ広まっていったそうです。
”わさび”には沢で栽培される「沢わさび(水わさび)」と、品種改良された畑で栽培する「畑わさび(陸わさび)」があります。
現在、長野県と静岡県が2大産地となっていますが、そのほとんどは「沢わさび」です。
”沢わさび”の根は”畑わさび”の根よりも大きく生育します。
これは”わさびの根”には、土壌を殺菌する成分が含まれていて、付近に雑草を生えないようにしていますが、わさび自体も大きくなれません。
流水にさらすことで、その成分が洗い流され、大きくそだつことができます。
そのため、沢わさびの栽培には、水のきれいな清流や湧水が必要となってきます。
沢わさびの栽培方法には4つの方法があります。
@畳石式(伊豆天城地方)
傾斜地を段々畑にして、豊富な水量を流水させて栽培する方法。
A渓流式(島根・鳥取などの中国山系地方)
自然の渓流に砂を敷き、田を作り、石で苗を押さえ栽培する方法。
B地沢式(多摩・安倍川上流地方)
渓流式を畳石式のようにわさび田を作り栽培する方法。
C平地式(穂高・安曇野地方)
平坦地を1〜2m掘り下げて畦を作り、伏流水を利用して、栽培する方法。
わさびの栽培は、冷涼な気候と年間水温が8℃〜15℃のきれいで豊富な伏流水や湧水のある山間地で行われることが多く、
静岡県の主な産地には、南アルプスを水源にもつ大井川、安倍川、興津川の上流や、
富士山西麓の富士宮市猪之頭地区、富士山東麓の御殿場市柴怒田・上小林地区、小山町須川流域、
伊豆天城山系の伊豆市天城・中伊豆地区、河津町梨本地区などがあります。
わさびの辛味成分は、揮発性のからし油(イソチオシアネート類)と呼ばれる成分で、
すりおろしなどで、わさびの細胞が壊れると、酵素の働きで生成されます。
この辛み成分には、殺菌作用や抗菌・抗カビ、抗虫、血栓予防、がん予防、食欲増進、消臭効果など、様々な効能がわかってきています。
わさびは主に、地下茎(根)をすり下ろし、寿司や蕎麦などの薬味につかいます。
茎や葉、花は”おひたし”や”天ぷら”などで味わうことができます。
その他、地下茎を刻み、酒粕に漬け込む”わさび漬け”や、
すり下ろしたわさびやエキスを用いたあられやソフトクリームなど、名物・お土産が色々ありますが、
やはり新鮮な生の山葵をすり下ろして、つーんとした香りを楽しみながら、駿河湾や遠州灘で獲れた鮮魚の刺身をいただく、贅沢な味わいです。
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〜静岡県の主なわさび産地〜 |
・大井川上流 川根本町梅地地区 【奥大井のわさび・わさび大福】
・安倍川上流 静岡市葵区有東木地区 【有東木のわさび・葵漬け】
・興津川上流 静岡市清水区両河内地区 【両河内のわさび・花茎の酢のもの】
・富士山西麓 富士宮市猪之頭地区 【上野精進川のわさび・田丸屋のわさび漬】
・富士山東麓 小山町須川流域 【御殿場小山産わさび・生わさび入もなか山そだち】
・富士山東麓 御殿場市柴怒田・上小林地区 【御殿場小山産わさび・わさびソフト】
・伊豆天城山系 伊豆市天城・中伊豆地区 【伊豆のわさび・わさび丼】
・伊豆天城山系 河津町梨本地区 【河津のわさび・わさび丼】
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情 報 |
静岡県|わさびのページ
URL http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-360/wasabi/wa01.html |
静岡県|静岡県内で、わさびやわさび加工品を購入できるお店を紹介します。 |
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